
「推し」のライブ前に美容院行ってきた!

超いいじゃん!私はネイル行ってきたよ〜!
2021年に「推し活」が流行語となってから街中でこんな会話を聞くことが増えました。
意味は、イチ推しの好きな対象を様々な形で応援する活動のこと。
私自身も、日々の癒しや元気の素となる推し活がいつも心の支えになっています。
流行語から2年余り経ちましたが、2023年現在、日本人の推し活はZ世代を中心に今後更なる進化を遂げると言われているんです!
今「推し」のいる人もいない人も、今後も加速していく「推し活」文化について知っておくと新たな楽しみ方が発見できるかもしれません。
今回の記事では、今後の「推し活」の行方が知りたいあなたに向けて、流行語から変化した2023年の「推し活事情」をZ世代に注目して解説していきます!
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推し活の流行語はどうして?コロナとの深い関係

「推し活」という単語は、2021年にユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされました。
「推し活」ブームの前後での大きな出来事としては、当時爆発的に流行っていた新型コロナウイルスの影響が挙げられます。
コロナ禍は数多くの人々の生活に影響を与え、それぞれの消費スタイルにまで変化を大きく広げました。
特に、厳しい自粛生活では、外出を控えたことで美容や飲食、レジャー関係の消費が激減。
その分、テレビや雑誌がこぞって取り上げたのは、ともに共通語だった「おうち時間」を充実させるためのコンテンツでした。
動画配信サービスなど自宅で楽しめる事柄に関心が向いたことで、自分自身にかけるお金から自分が好きなものに対しての消費へと変化したのです。

SNSを使った発信で「推し活」がかなり広がったよね。

推しが同じ人と繋がったり、魅力をつぶやいたりして仲間ができたよ!
下の図をご覧ください。「SHIBUYA109 lab」による、「コロナ流行前後で推し活に対する意識の変化についての調査」です。
コロナで推し活への時間やお金のかけ方、熱量は変わりましたか?という質問に、「時間」と「熱量」の項目で、40%の人が増えたと回答しています。

この図からも、コロナ禍の外出制限によって、人々の意識が内面的な充実感を得る方へ向かっていたことがわかります。
人々が求めた新たな癒しのかたちとして、「推し活」は流行語になったのですね!
非接触の環境下でも、自分の推しているヒトやモノに簡単に発信、共感ができるSNSは、「推し活」を楽しめる素晴らしいツールというほかありません。
推し活の年代流行調査!Z世代の勢いが凄いワケ

コロナ禍を経て、「推し活」というワードは急速に世間に浸透しました。
流行語となる前年の2020年には『推し、燃ゆ』(宇佐見りん著)が芥川賞を受賞し、一気に注目が集まりました。
そして2023年の調査では、10代〜20代の「Z世代」を中心に、「推し活」のかたちが更に多様化していることが明らかになりました。
まずは、2021年以前から似た意味合いで使われていた「オタ活」との違いについて、解説していきますね!
推し活はコロナ流行以前のオタ活とどう違うの?
かつて、私たちは一つの物事を熱中して愛することを「オタ活」と呼んでいました。「オタ活」と「推し活」の違いって何でしょうね?

「オタ活」はチェックシャツを着て、リュックを背負っているイメージがあるかも…

私は、〇〇博士のイメージ!
現在人々の暮らしに浸透している「推し活」の流行とは、どう違うのか調査しました!
- コレクター、収集するという意味を含んでいる
- 対象の事柄について、圧倒的な知識を持っている場合に使われることが多い
- 対象について誰よりも詳しいという必要はない
- 応援している=推しているといったライトなニュアンスの方
「詳しくは知らないけど雰囲気が好きで推している」というように、肩肘張らなくていい点が「推し活」人口の増加につながっていると言えます。
つまり、人、物だけではなく、愛情、熱意を持って応援していればすべて「推し」というワケですね。

推し活をする人を特集した動画も流行ってるけど、みんな熱量が凄いよね!

違うジャンルでも、わかるーって思いながら見ちゃうよね
分野は違えど、好きな気持ちは同じ!そんな「推し活」ですが、具体的にはどんなことをしているのでしょうか?
一般的な「推し活」の行動・活動内容を以下にまとめました。あなたは、何か経験があるものはありましたか?
- 会う…ライブや舞台を観に行く、DVDや配信映像の鑑賞、聖地巡礼、ファンレターを送る
- 購買する…グッズを買う、コラボカフェ・イベントへの参加
- 発信する…SNSで魅力を語る、身近な人にグッズやCDを配る
- 思索を深める…口に出さないが常に考えている
また、推しのイメージカラーの雑貨を集めたり、素材を集めてスマホケースを作ったりなど、精力的な活動家もいるそうで、とても奥の深さを感じます。
推し活の流行を推進するZ世代の若者たち!SNSの活用
さて、今ではZ世代からシニア層まで多種多様の「推し活」ライフが存在していますが、その中でも特に勢いが凄まじいのはZ世代の若者です。
ちなみに、最近ニュースでも聞く機会が増えた「Z世代」。あなたは、どんな意味があるか知っていますか?
じつは、語源は「ジェネレーションZ」、もともとアメリカから伝わった世代分類を指す言葉なんです。
年齢は25歳以下の若い世代でこれからの社会の中心であり、物心ついた頃からスマホが生活の中にあることから、デジタルネイティブと呼ばれています。
- 25歳以下の若者の総称
- TV、新聞離れからインターネット環境での情報収集が当たり前
- 多い情報の中から、「自分にとって必要な情報を調査し取捨選択する」能力が高い傾向
- 年代が若い程YouTubeやSNS等のインターネット利用時間が多い傾向
下のグラフは、「SHIBUYA109 lab」による調査で明らかになったZ世代の割合を示しています。
現在推し活しており、時間とお金を費やしていると答えた人は、なんと75.5%。かなり高い数字となっています。

Z世代の中でも、20代の若者は仕事を始めて金銭的に余裕が出てくることが多いため、最も活発に推し活を行っている年齢層であるといえます。
TwitterやInstagramなどのSNSを駆使でき、最新情報を仕入れてから発信するまでのスピードが早いことも拡散の勢いに繋がっています。
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推し活流行の今後とは?外出緩和で広がる楽しみ

2023年現在、行動制限も解かれ、コロナ禍に制限されていた消費は回復の兆しを見せています。それに伴い、「推し活」関連ビジネスも年々拡大中です。
「推しは推せるときに推せ」という言葉をあなたは知っていますか?
これは、推しが芸能界を引退する、一線を退くなど、推す対象を応援する機会が失われることを危惧して、ファンの間で使われる合言葉でした。
しかしコロナの流行を経て、応援したくともできない非日常が再び来るかもしれないから、今のうちにしっかり推そうといったニュアンスへと変化しています。
推し活の流行はビジネスチャンス!多様なサービス展開
yahooニュースによると、2022年にアイドルの「推し活」に使われた年間金額は、1人当たり2021年から4割近くもアップし9万3704円でした。
まだまだ開拓・参入余地のある「推し活」商戦に、企業側も日々消費者の需要を分析し、満足感のあるサービス展開を画策しています。
それでは、現在展開されているビジネス例とはどのようなものか見てみましょう!
<推しをカフェと組み合わせたモデル>
- アイドルをはじめアニメやゲームなど、様々なコラボレーション企画が行われている
- 店内の装飾で作品の世界観を表現、アイドル本人が考案したメニューや作品やキャラクターにちなんだメニューを提供
- 食事だけでなくアニメ関連ショップや限定グッズの販売もあり、一般飲食店やテーマパーク内の飲食店との期間限定コラボも多い
コラボカフェでは、等身大のパネルや目を惹く装飾など、「映え」を意識したレイアウトも人気の一つです。
私自身、とあるゆるキャラのコラボカフェに行った時は、フォトスポットにある等身大のパネルやグッズたちにとても癒されました!
写真に残しておくことで後から見返して癒されることもできますし、SNSに投稿して同じ仲間を見つけることもできるのがいいですね♪
他にも、下記のような、身近なアイテムと「推し」のコラボも数多く存在しています。
<推し活ファン以外にも手に取りやすい>
- 安価で子どもでも気軽に購入できる
- 人気の高いアニメーション作品のコラボが多く、期間限定の場合が多い
- カードやシールなどのオマケが付いているとSNSでグッズの交換がされることもある
<長期的に愛用できるアイテム>
- いつも推しの近くにいたいファンに需要あり
- 推しがプリントされたTシャツやパーカー、トレーナー、トートバッグや下着など多岐にわたる
- 衣料ブランドが積極的に人気作品とコラボを打ち出している場合が多い
- 過去人気のアニメーション作品や話題作など途切れなく新アイテムを発表し話題を集める(UNIQLOなど)
他にも、ホテルの宿泊プランとして、「推し」の誕生日や記念日を祝うアニバーサリープランもあります。
町おこしとしての擬人化キャラクターのスタンプラリーなど、経験を売りにするサービスも人気です。
2023年の推し活は、推しを応援することが目的ではあるものの、「モノ」より「コト」の「経験の消費」が重要視されると言われています。
同じ趣味を持つ人との繋がりや生きる目的、達成感を一度失ったからこそ、自分がその場にいた事実を価値とする、新たな推し活時代が訪れています。
一方、行動制限が解除されても、コロナ禍で発達した、部屋や屋内で鑑賞できるサービスがすたれるわけではありません。
屋外に出ての推し活と、部屋でまったりとオンラインのライブやSNSで繋がる推し活の両方の側面が今後もさらに発達すると予想されています。
推し活の流行と多発する金銭トラブルに気をつけよう
しかし、開放的になる反面、これからの推し活には注意しなければならない点も存在します。それは、推し活への依存から発生する金銭トラブルです。
下の表は、2022年にWacha調査レポートによるZ世代を対象に行ったランキングです。

「一ヶ月で家賃以外にお金をかけるものとは何ですか?」という問いに、「推し活」は2位にランクインしています。

3位に飲み会・外食が入ってる!

コロナ前の活気が若者に戻ってきてるってことだね!
そして、「推し活」の出費のなかで近年特に増えているのが「投げ銭」をはじめとしたオンライン課金です。
「投げ銭(せん)」とは、SNSなどのライブ配信でファンが「推し」に対して送金するシステムのことです。
自粛生活の中で、「ライバー」と呼ばれるアーティストたちが、ライブ配信やグッズの販売などを通して、ファンから収入を得られるようになりました。

上の表は、Z世代の「1ヶ月間のオンライン課金」の最高額をグラフにしたものです。一番高い割合は5001円以上との回答で、全体の約1/4にも上ります。
「推し」とファンとの距離が身近になる一方で、未成年者のファンが親のクレジットカードで「ライバー」へ送金するトラブルも相次いでいるそうです。

より多くの金額を「推し」に捧げることで、承認欲求を満たそうとしてしまうんだね…

「推し」ももちろんだけど、自分のことも大切にしたいな
自分を見失いそうなときは、周りの友人や家族に客観的な意見をもらうというのも大切かもしれませんね!
まとめ

- 「推し活」の流行語は新型コロナウイルスと深い関係がある
- 外出制限によって癒しを求めた人たちが時間とお金を「推し」に費やし非対面での「推し活」が流行した
- 「推し活」はZ世代を中心に世代間の共通言語となり、概念や活動の幅が広がっている
- 「推し」ビジネスは企業からも注目され、需要に沿ったコラボカフェ、菓子、衣料などの供給サービスがある
- 「投げ銭」などオンライン課金システムによる金銭トラブルには注意が必要
以上が、「推し活」の流行語から2023年までのZ世代を中心とした「推し活事情」の解説になります。
毎日の癒しである「推し活」ですが、抜け出せずにとめどなくお金を使ってしまう可能性もあります。
「推し」を応援する自分のことも大切にしながら、充実した「推し活ライフ」を満喫したいですね♪
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