肌ざわりが良く滑らかな着心地のレーヨンは多くの人から愛される素材の一つです。しかし、その正しい扱い方を知る人は意外と少ないのが現実です。
私自身、好きだったレーヨンのプリーツスカートのアイロンがけに失敗し、ダメにしてしまった経験があります。
私の友人にも、「レーヨンは扱いが難しいから買わない」という声を聞くくらいです。
しかし、じつはレーヨンは、あて布の上からドライモードの中温でアイロンがけすることで、新品のままの状態を簡単にキープすることができるんです!
お手入れの難しいレーヨンを、ワードローブの最前線へ。
本記事ではレーヨンの扱い方に悩むあなたへ、アイロンがけや洗濯のコツ、縮んだときの対処法までお教えします。
最後まで読めば、あなたのこれからの着回しが今よりもっと楽しくなるはずです。
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スチーム機能と切り替えて使うことができるので、レーヨンのアイロンがけをするときにピッタリなんですよ↓
レーヨンのアイロンがけのコツはドライモードの選択!
扱いが繊細なレーヨンのアイロンがけは、3つのコツを覚えるだけで驚くほど簡単になります!
- ドライモードを選択する
- 高温NG!コツは温度設定にあり
- レーヨンをテカらせないためにあて布をする!
レーヨンのアイロンがけのコツはドライモードの選択
まず、レーヨンにアイロンをかける上で一番大切なのは、素材に適したモードを選ぶということです。
レーヨン素材の場合、メーカー機種を問わず100%ドライアイロンを選択しましょう。
シャツやブラウスについたしわを伸ばすため、普段からアイロンのスチームモードを活用している方にとっては、疑問に思われるかもしれません。
しかし、水に弱いレーヨンにスチームアイロンの蒸気は型崩れの原因となるため、絶対にNGです。
スチーム機能がついたアイロンをお持ちの方は、スイッチをOFFにしてドライモードを選択しましょう!
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高温NGなレーヨン!アイロンのコツは温度設定にあり
ドライアイロンを用意したら、次に大切なコツは温度の設定です。
先程も述べたように、レーヨンはしわがつきやすく熱にとても弱い性質をもっています。
高温にすると素材が熱に負けて不自然なテカりが出たり、伸びや型崩れが発生したりする危険性があるため、アイロンの設定温度は原則中温に留めましょう。
ちなみに、レーヨンが配合されている服のアイロン表記では、推奨温度が中温(110度〜150度)に設定される場合がほとんどです。
この機会に、お手持ちのレーヨンのアイロン表記を確認してみるのもいいですね!
レーヨンをテカらせないコツはアイロン時のあて布!
これまで、レーヨンのアイロンがけで大切なコツを2つご紹介しましたが、最後にもうひとつ、おろそかにできないあて布の大切さについてお話しします。
ドライアイロンで水分を遠ざけ温度設定を低くすることで、レーヨンの劣化は大幅に抑えられます。
しかし、レーヨンの配合や服の仕立てによって、中温でもアイロンの直熱で光沢が失われてしまい、せっかくのツヤや質感が褪せてしまう危険性があります。
繊細なレーヨンをへたらせないため、アイロンとの間にはハンカチや手拭いなどのあて布をするようにしましょう。
ハンカチの場合、レースなどの薄すぎるものを選んでしまうと、却ってハンカチの素材も同時に傷めてしまう恐れがあります。
まず綿や薄いパイル生地のもので試してみて、レーヨンに熱が伝わりすぎていないかを確かめてからアイロンをかけるようにしましょう。
レーヨンのアイロンがけ前にしわ予防の工夫をしよう!
レーヨン素材の服を長く愛用するには、日頃からケアに気を配ることも大切です。
普段の扱いにひと手間を加えるだけで、お気に入りの服と愛情深く付き合っていけたら素敵ですよね。
次の章からは、レーヨンのアイロンがけ以外の扱いについて、「洗濯、干し方の工夫」、「縮ませてしまったときの対処法」に分けてご紹介します!
アイロンがけ前の洗濯からレーヨンのしわ対策を!
しわになりやすいレーヨンは中性のおしゃれ着用洗剤でスピーディーに洗いましょう!
「おしゃれ着用洗剤」とは、ニットやレーヨンなどのデリケートで型崩れしやすい素材の衣類に負担をかけずに洗える洗剤です。
通常の洗剤が弱アルカリ性なのに対し、「おしゃれ着用洗剤」は中性のものが多いのが特徴です。
その中でもドライクリーニング用洗剤は、洗浄力が強いため洗濯にかかる時間が少なくオススメです。
また、最近は洗濯機も多様化し、メーカーや機種によって洗濯のモードや時間が選べる場合もあります。
“洗い“はできるだけ優しい力で、スピーディーに終わらせることを意識しましょう。
加えて、水分を含んだレーヨンは繊維が膨らんで傷みやすくなっているので、脱水のかけすぎにも充分な注意が必要です。
レーヨン素材を洗濯するときは、脱水は短時間に留めて、風通しの良い場所に干しましょう。
また、目の細かなネット活用でレーヨンに負担をかけないことも大切なポイントです。
「洗濯ネット」はホームセンターや100均ショップでも比較的簡単に手に入るアイテムで、売り場には素材に対応した様々な種類のものが置いてあります。
その中で、レーヨンの洗濯時に選ぶべきは、売られているものの中でもより網目が細かいネットです。
網が大きなものだと水流の影響をダイレクトに受けたり、ほかの洗濯物に巻き込まれ、せっかく洗濯ネットに入れたレーヨンの生地が伸びる危険性があります。
価格も安価なものが多いので、クローゼットにレーヨンをお持ちの方は、ぜひ目の細かい洗濯ネットをひとつ持っておきましょう!
アイロンがけ前に干し方の工夫でレーヨンのしわ対策!
レーヨンをハンガーで吊り干しをする際には、木製、太めのプラスチックハンガーなどを使うことがおすすめです。
針金などの細めのハンガーしかない場合は、タオルなどを巻いてから服をかけることで簡単に型崩れを防ぐことができます。
また、一度袖を通した後のレーヨンは、腕や腰まわりがしわになったり、汗で生地が弱ったりしている場合がほとんどです。
一日ハンガーにかけて休ませてあげることで、レーヨンのしわが自然と伸び、服全体についた「よれ」が落ち着きます。
いつものお手入れにもうワンステッププラスするだけで、お気に入りの服が見違えます。ぜひ試してみてくださいね♪
レーヨンがしわしわに⁉︎縮ませたときの簡単な対処法!
レーヨンに頑固なしわがついてしまったら、リンスを含ませたぬるま湯に20分ほど浸して、「よれ」を一旦元の状態に戻しましょう。
すすいでゆるく絞り、手で叩き伸ばしをしてから干すことで、服の重みでよれていた状態が自然に伸びて整っていきます。
しわがある程度落ち着いた状態で乾いたら、アイロンの力で数ミリから数センチ、しわや縮みを伸ばすことが可能です。
洗濯バサミを用いて生地をアイロン台へ固定した後、当て布とともに優しく手で引き伸ばしながらアイロンをかけましょう。
このとき、力のかけ過ぎは厳禁です。レーヨンの配合によって生地の強度にも開きがあるため、少しずつ様子を見ながらアイロンすることを心がけましょう!
レーヨンのアイロンがけ前にコツと特徴を知ろう!
レーヨン(rayon)とは、植物に含まれる繊維素を取り出して薬品で溶かした後、再び繊維状にした化学繊維の一つで、絹を模して作られた再生繊維です。
ポリエステルなどの完全な化学繊維と違って加工してから土に埋めることで水と二酸化炭素に分解でき、「環境に負荷をかけない繊維」として知られています。
特徴でわかるレーヨンとアイロンがけの関係性
それでは、以下の5点にわたり、デリケートなレーヨン素材の特徴について解説していきます。
- 手触りと光沢
- お手頃なのに上品!
- 吸湿性や通気性に優れる
- 圧倒的しわのつきやすさ
- 水と熱に弱い
<手触りと光沢>
一つ目の特徴は、レーヨン特有の手触りと光沢です。レーヨンは絹に近い素材感から「人絹」(じんけん)と呼ばれています。
その軽やかでゆったりとしたドレープは、フィラメント糸と呼ばれる微小な繊維の束によって形成されています。
そのため、シルクのような軽さと柔らかな質感の表現が可能となり、日光や照明に照らすとレーヨン特有の光沢が現れます。
その名前の由来には「光るもの」という意味が込められており、フランスで1855年に発明された当時から、レーヨンは「人工絹糸」として革新的な素材だったのです。
<お手頃なのに上品!>
二つ目の特徴は、なんと言っても手に取りやすい価格です。
ファストファッションとは思えない、クオリティが高く可愛らしいブラウスやスカート。
絹の代用品として開発されただけあって、フォーマルな場にも相応しい優美な装いをリーズナブルに楽しめることがレーヨンの魅力です。
レーヨンは、私たちの暮らしに今やなくてはならない大切な素材なのです。
<吸湿性や通気性に優れる>
三つ目の特徴には吸水、通気性に優れていることが挙げられます。
ここで質問ですが、じつはこのレーヨン、トップスやボトムだけでなくもっと私たちの身体に密着する意外なものにも多く使われています。
一体何かわかりますか?ヒントは、熱伝導率です。
正解は「ヒートテック」。この答えに、意外だと思われた方も多いのではないでしょうか?
ユニクロから始まり、ヒートテック製品は今や数多くのブランドから販売されています。
その”身体が発した汗を吸収し熱へと転換する”性質が着目され、ベーシックなタイプのヒートテック製品には約20〜30%のレーヨンが配合されているのです。
<圧倒的しわのつきやすさ>
着心地も良く、経済的なレーヨン素材。しかし、気に入って愛用したくても、レーヨンのお手入れは簡単とは言えません。
理由は、その圧倒的なしわのつきやすさ、縮みやすさにあります
したがって、洗濯やアイロンがけの際には、他の生地と違いいくつかの注意やコツが必要です。
そもそも、レーヨンはなぜこんなにもしわがつきやすく、縮みやすいのでしょうか?
その理由はレーヨンの原料にあります。素材に綿が含まれているため、レーヨンには吸水性がある反面、水を含むと繊維が膨らんで湾曲する性質があります。
そして、水分を得て湾曲した微小な繊維質の一つひとつには再現性がないため、そのままの状態で乾くことで「よれ」として素材に深く残ってしまうのです。
<水と熱に弱い>
また、最初に述べたとおり、レーヨンは再生木材パルプから成る植物原料がもととなっています。
分類は「布」ですが、和紙や折り紙などの「紙」の性質に近いものがあると考えればわかりやすいのかもしれません。
環境に優しい素材で水分を含むことで繊維が弱ってしまうため、しわを伸ばす方法として大多数の方が思いつく、
- 高い温度でドライアイロン
- 蒸気の力でスチームアイロン
上記2つの行為は、レーヨンのしわを伸ばすどころか、生地の耐久性を著しく損ってしまう恐れがあるのです。
このことを知らずやみくもにアイロンがけをしてしまうと、せっかく購入したレーヨンの光沢や風合いが消失し、お気に入りの服をタンスの肥やしにしてしまう可能性があります。
アイロンしていい?しわのつきやすいレーヨンの扱い方
ここまでレーヨンの特徴を5つに分けて説明し、レーヨンの間違ったお手入れ方法を2点挙げました。
高温もダメ、スチームもダメ…とあれば、アイロンをかけること自体が危ないことなのではないか、という考えに至った方も多いのではないでしょうか?
しわがくっきりついてしまったレーヨンを、アイロンがけのみで購入時の魅力的な状態に戻すことは出来ないのでしょうか?結論から言うと、全くそんなことはありません!
レーヨン素材は、アイロンがけの温度と方法に少し気を配るだけで、お気に入りの服のしわを元通りに伸ばし、より良い状態で長持ちさせることが出来るのです。
アイロンがけのコツやアイロンをかける前に気をつけること、洗濯のコツまでわかったあなたはもう怖いものなしですね♪
まとめ
・レーヨンのアイロンがけは、ドライモードのアイロンがけを中温であて布の上から行う
・レーヨンを洗濯する際は中性のおしゃれ着用洗剤を使用、目の細かい洗濯ネットに入れて脱水を短くし、生地の摩耗を抑える
・レーヨンを大切に着ていくための最良の方法は、レーヨンの素材に出来るだけ負荷をかけないこと
・レーヨンを干す際には太めのハンガーを使い、1日着たら翌日は休ませて「しわ」「よれ」を落ち着かせる
・レーヨンが縮んでしまったらリンスを含ませたぬるま湯につけ置きし、手で叩き干しした後、乾いた生地を優しく引っ張りながらアイロンがけする
・水と熱に弱く圧倒的にしわのつきやすいレーヨンには、過度の高温、スチームアイロンの蒸気は絶対NG!
以上が、レーヨンに綺麗にアイロンがけする方法と、しわ取り、洗濯法までのまとめとなります。
私自身も、日頃から購入した服の素材や表記を確認して、洗濯のときから安心してレーヨンと他の生地の洗い分けが出来るようにしていきたいと思います。
袖を通したときの「とろみ」が可愛らしいレーヨン素材。
その繊細な扱い方を知るところから、日々を丁寧に暮らす楽しみが広がっていくかもしれません。
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